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目的地に近い所の駐車場に車を止める。

「着いたよ。・・・ここからは、目を閉じて・・・。俺に任せてくれないかい?」

そう言って彼女の顔を見ると、不安げな表情を浮かべていた。

・・・それもそうだ。目をあけたら、ホテルだった。・・・なんてオチがありそうだもんな・・・俺の場合。

「大丈夫。変な所には連れて行かないから。約束するよ♪」

一瞬、瞳をさまよわせた彼女だが、静かにその瞳を閉じてくれた。

助手席側に回るとドアを開け、そっと彼女の手を取りエスコートしていく。控えめに俺の腕に絡ませた彼女の腕が、微かに震えているのがわかる。

目的地まで、あと少し。まるで、ガキに様にドキドキしている自分がいて、苦笑いする。


「着いたよ。」

そこは、一軒のBarーサンライズー。

彼女の瞼が開くのをワクワクした思いでみつめる。

一瞬、彼女の目が見開かれた。

「・・・ここって・・・」

驚いた表情の彼女の腕を取り、Barの扉を開けると中へと入り、以前座ったのと同じ位置のスツールへと彼女を座らせる。

落ち着かない彼女の姿を微笑ましく思いながら、バーテンに耳打ちしてカクテルをオーダーする。


バーテンが彼女の前へと差し出したのは「PURE LOVE」という名の甘酸っぱいカクテル。

らしくないかとも思ったが、これから嘘偽りのない「デート」なのだから、こんな演出も悪くないだろう?


緊張した面もちの彼女の顔を見ながらお互いのグラスを合わせる。

カクテルに口を付けた彼女から、今日初めて笑みが零れた。

「・・・美味しい・・・」

その姿に、胸がキュウッとなるのを感じる。・・・可愛いな・・・。

グラスに添えられた白くたおやかな指。カクテルで濡れた魅惑的な唇。はにかむような笑顔。それは、いつもの「香」とはかけ離れていて・・・。

その姿に見入ってしまっていたのだろう、視線を感じた彼女が困った様な瞳で俺を見ている。

「・・・あ・・・。あの・・・あたし・・・」

言いかけた言葉を遮るように、彼女の唇にそっと人差し指を当てる。

びっくりした顔で俺を見つめる彼女。その彼女の右手に、俺はそっと手を重ねると静かに話し出した・・・。



「・・・昔、ここで知らない男に騙されそうになっているお嬢様を助けた事があってね・・・。まぁ、色々あって、彼女とデートする事になったんだ。・・・奔放で、素直で、可愛らしい女の子だった・・・。ずっと、このまま・・・って思ったよ。でも、彼女は、シンデレラだったんだ・・・・。12時の汽笛の音と共に、現実の世界へ帰っていったよ・・・。」

あの時、何度「香」と呼びそうになったことか・・・。俺と出会わなければ、好きな男とこんなふうにデートする事だって出来ただろうに・・・。そんな苦い思いを抱えながらも、「お嬢様」としての偽りの彼女としたデートは、心躍る時間だったことは確かだった。

懐かしむ様な口調で話し始めた俺を、彼女が大きな瞳を更に大きくして見つめていた。

・・・そりゃぁそうだろう。あの時の香は、自分の正体が俺にバレてないと思っているのだから・・・。そう思うと、少し可笑しくなったが、ここで笑う訳にはいかなかったため、ぐっと我慢して話を続けた。

「・・・結局、彼女とはそれっきりだった・・・。そのほうが、お互いの為だと思ってたよ。・・・こんな俺とは、もう会わないほうがいい・・・とね。でも、また今日会えた。・・・リカ、君があの時の「お嬢様」だろう・・・?」

重ねた手がすり抜けようとするのを押さえて話しを続ける。彼女・・・リカの視線は俺から反らされていた。強ばる表情。

「・・・もう、やめにしよう・・。リカ・・・・いや、香。」

驚いた表情(かお)で俺を見つめる香の瞳からは、今にも涙が溢れそうになっていた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
撩ちゃん、シンデレラがカオリンだったって事を知ってた事、バラしちゃいました・・・。さぁ、このあと撩はカオリンとどう向き合うのでしょうか?

撩が話す真実を、カオリンは受け止められるのでしょうか・・・?
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【2013/09/30 17:00】 | How much is that time?
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