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お互いの存在に気が付きながらも、決して交わることのない視線。

冴子と組んだ仕事の中で、今まで一番やりにくい仕事だな・・・。

思わず零れそうになるため息をぐっと飲み込む。



程なくしてタカサキカンパニーの秘書が、恩田代議士に付いていたホステスを伴ってバルコニーへと向かうのが見えた。

「・・・冴子。」

動き出したターゲットを追うように、俺たちも寄り添ってバルコニーへと向かう。

途中、タカサキカンパニーの社長夫人と談笑する香達の横をすり抜ける。

ミックの半歩後ろで、控えめな笑みを浮かべて相づちを打つ香の姿を見て、胸がキリキリと痛んだ。


・・・お前には、こんな笑い方似合わねぇんだよ・・・


ドレスを試着していた時の香の眩しいほどの笑顔が忘れられない。と同時に、イヤリングを投げつけてきた泣き顔も思い出す。

結局、いつも香にばかり我慢をさせて、泣かせているのは俺か・・・。

苦い思いを胸に、仕事モードへと強制的に頭を切り替える。


『・・・今度の品は、明日お渡し出来るそうです・・』


『・・・わかった。では、30分後に予定通りの部屋で・・・』

小声で話す2人に不振がられないよう、俺は冴子の腰に手をまわし、冴子は俺の首に腕を絡ませるようにして、話しが聞こえるぎりぎりの距離まで近づく。端から見たら、恋人同士が情熱的なキスをしている様にみえるはずだ。

一歩間違えば本当に唇が触れてしまいそうな程近い距離にいる俺たち。括れた腰に手をまわしながら、ふっと苦笑いが零れる。

・・・相手がアイツだったら、こんな事出来ねぇな・・・

この腕に居たのが香だったなら、きっとこんな濡れ場なんて演じられないだろう。相手が冴子だから出来る芸当なのだ。

それに、香が相手だったなら、こんな寸止めなんて出来ない・・・きっと、貪るような本物のキスをしてしまうだろう。


話しが済んだのか、2人がバラバラにバルコニーから出てきた。

お互い、何事も無かったかのようにスッと身を引く。

「撩、証拠はバッチリよ?」

盗聴器になっているイヤリングに手をやりながら冴子がほほえむ。

「・・・じゃ、30分後に例の部屋に行ってアイツ等をとっ捕まえれば任務完了ってか?」

「えぇ。ただ、ガードが厳しいらしいから、気をつけてね?」

「だぁれにモノ言ってんだよ?それより、ちゃぁんともっこり3発付けとけよ~?」

「・・・撩、残念だけど今回は現物支給でお願いね?・・・だって、香さんをこれ以上泣かせたくないもの」

ぐっと言葉に詰まる。思わず、右のポケットに入っている香へのプレゼントに手をやってしまった俺。

「・・・んじゃ、チャッチャと終わりにして迎えに行きますか・・・・」

今回ばかりは逃げも隠れもしない。素直になろうと決めていたのだ。

「ふふふっ・・・。あんなに綺麗な香さんをミックに盗られて妬いてるんでしょ?・・・早く迎えに行ってあげて?きっと彼女も待ってるわ。」

「だ、誰が妬いてるって!?ばぁか言うなよ!それに、あいつはあいつで仕事の便宜上ミックと居るだけであってだな・・・っ」

言い訳を並べる俺の口を冴子が手で塞ぐ。

「そこまで。・・・今回の件は、私が横から割り込んで2人の仲を拗れさせてしまったみたいだから、ちゃんとお詫びさせて?・・・それとは別に、あなたもきちんと自分の気持ちに素直になりなさい。・・・女だっていつまでも待てる訳じゃないのよ?」

少し寂しげに微笑む冴子の姿に、何も言えなくなってしまった俺。

「・・・そろそろ時間よ・・・。」

その言葉にはっとして、冴子と共にホテルの部屋へと向かったのだった・・・・。


*******************************

ミックと一緒に会場に入る。女性の扱いに慣れている彼のエスコートのお陰ですんなりと場にとけ込む事が出来た。

「カオリ。大丈夫かい?何か飲み物貰おうか?」

「あ・・・。じゃあシャンパンを・・・」

ミックの甘いマスクと見事なエスコートに、周りの視線が痛いほどだ。

飲み物を片手に、少しずつターゲットに近づいていく。

「カオリ、いつものカオリもチャーミングだけど、今日のカオリはまるでシンデレラのようだね。会場中の男の視線を独り占めしてしまうほど魅力的なカオリのお相手が出来るなんて、まるで夢みたいだ♪」

「や、やだミックったら・・・。みんなが見てるのはあたしじゃなくてミックのほうでしょ?・・・あたしなんて・・・」

褒めてくれたミックには悪いが、みんながあたしを見るはずなんてないもの。

「・・・分かってないなぁカオリ。いいかい?誰が何と言おうと、この会場で一番綺麗なのはカオリだよ。自信持って。」

「・・・ありがとう。ミック・・・」

そんな会話をしながら、ターゲットのタカサキカンパニーである社長夫人の所までたどり着いた。もちろん、隣にはターゲットである夫のタカサキ氏も一緒だ。

「新婚なんですよ。・・・タカサキさんは結婚して何年になられるんですか?」

話し上手なミックは、婦人相手にどんどん会話を広げていき、ついにはタカサキ氏も巻き込んでしまった。

あたしはと言えば、夫人相手にただ微笑んで相づちを打つだけ。

・・・隣に居るのが撩だったら・・・

優しくしてくれるミックが居ながら、そんな事を考えたからなのだろう。神様はあたしに罰を与えたのだ。

ふと会場の奥ーーーバルコニーの手前でお互いの身体を密着させながら口づけを交わす撩と冴子さんの姿を見つけてしまったのだ。

嫉妬で心の奥がどす黒くなっていくのがわかる。思わずぎゅっと目をつぶってしまった。

「カオリ?」

あたしの異変に気が付いたのか、ミックが心配そうに声を掛けてくれた。

「あ・・・。ごめんなさい。ちょっと酔ってしまったみたい・・・。でも大丈夫」

本当に顔色が悪かったのかもしれない。夫人が気を使ってホテルの一室を休憩場所として貸してくれると言い出したのだ。

「そうしたほうがいい。お言葉に甘えて部屋をお借りしてもよろしいですか?」

ミックはそう言うと、夫人から部屋のキーを受け取ってあたしの腰を抱き寄せながら会場を後にした。

部屋に入ると、ミックは黙ってあたしをソファに座らせ水の入ったグラスを差し出してくれた。

「・・・カオリ、あれは演技だからね?撩とサエコはそういう仲じゃ無いことは、カオリにもわかるよね?」

ミックも気づいていたのだ。あの2人に。

「・・・そんなの、わからないじゃない・・・。だって、撩はあたしを選んでくれなかった・・・。冴子さんは、あたしが知らない撩を知ってるわ!撩は言わないけど、どれだけ冴子さんと組んで仕事してるか・・・・」

涙がこぼれそうになって、思わず俯いて唇を咬んだ。

「・・・カオリ。早く仕事を終わらせて撩とちゃんと向き合ってごらん?きっとカオリが思うよりも、俺たち男のほうが本命に対してはウブなんだとおもうよ?・・・こんな綺麗なカオリを撩に返すのは癪だけど、シンデレラはやっぱり王子様が迎えにきて幸せにならないとね♪」

ウインクをしてポンとあたしの手を軽く叩くミックの姿に、少しだけどす黒い何かがはがれ落ちた気がした。

「・・・わかった。まずは、ちゃんと依頼完了しないとね。・・・ミックもスクープになる記事かかないといけないし・・・。」

お互い顔を見合わせて、クスリと笑う。そして、取り引きの現場であるホテルの一室へと向かったのだった・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
おおおお久しぶりですっ(汗)原稿が吹っ飛び、そこからまた書き上げるのに手間がかかりました・・・。すみません~(。>ω<。)
お話ですが、やっとこ佳境に入ってまいりました。すれ違った2人は元にもどれるのでしょうか・・・?次回、カオリンお仕事しまっすっ!!
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【2014/06/03 23:12】 | リクエスト
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