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翌日、俺は情報屋に依頼の件で聞き込みに回っていた。

教授に話しじゃぁ大した事ない様だったが、探れば探るほど企業と代議士の癒着と悪事が見えてくる。売春に麻薬密売、暴力団との癒着、闇献金等々・・・。ちょっと探りを入れただけで、ネタは掃いて捨てる程あるのだ。

(・・・なぁんかイヤな予感がすんだよなぁ~・・・)

一通り聞き込みを終えた所で、いつもの公園のベンチに座りタバコをくわえていると、嗅ぎなれた香水の匂いがした。

「ちょうど良かったわ、撩。頼みたい事があるの。」

視線を上げると、そこには冴子の姿があった。

・・・お出でなすったか・・・

大概、こんなヤマは冴子が絡んでいるのだ。

「・・・依頼ならお断りだぜぇ~?もっこり報酬踏み倒されたまんまだもんなぁ~」

冴子から逃げるようにベンチから立ち上がろうとしたが、それを遮るように彼女が前に立ちはだかった。

「・・・お願いよ。撩。・・・恩田代議士とタカサキカンパニーが手を組んで、麻薬密売と売春をしているの。証拠を掴みたいのよ・・・。家宅捜索したくても、恩田が警察上層部に圧力をかけているから思うように捜査できないの!明日、タカサキカンパニーの新年会があるんだけど、そこで麻薬の取引が行われるって情報があるのよ!私と一緒に潜入して欲しいのよ。」

・・・ターゲットが教授と一緒という事を考えれば、冴子に協力してやりたいとは思うが・・・。

冴子の話しと集めた情報を併せて考えると、冴子の依頼を受けるとなると危険が伴う。盗聴くらいなら香を連れて行ってもいいが、密売の現場を押さえるとなると話しが違ってくる。口にはしないが、明日のパーティーを密かに楽しみにしている香の姿が頭を過ぎった。

「・・・悪いな。先約があるんでな。・・・まぁ、代議士のほうは無理かもしれんが、タカサキカンパニーの方の悪事の盗聴くらいなら協力してやれるけどな・・・。」

ポケットに手を突っ込んで歩き出した俺の背中に冴子の泣きそうな声が響いた。

「お願いよ・・・。槇村が・・・槇村と私が追ってた2人なのよ・・・。やっと、尻尾を捕まえられそうなのっ!これを逃したら次いつになるか分からないのよっっ・・・」

『槇村』という名に、思わず足が止まる。思わず振り返ると、いつもの強気な冴子の顔はなかった。迷い子の様な、今にも泣き出しそうな顔。

両手をコートのポケットに突っ込んだまま空を見上げると、ふぅっとため息を一つこぼす。

「・・・少し、考えさせてくれ。今夜にでも連絡する。」

槇村が遺したヤマなら、冴子にとって特別なものなのだろう。冴子の気持ちもわかるが、香の事もある。どうしたら一番いいのかなんて、すぐには返答できなかったのだ。



遠回りをしながらアパートへ帰ると、もう夕飯の時間だった。キッチンから漂う味噌汁の匂いに、腹の虫が騒ぎ出す。

「香~。帰ったぞぉ~!」

何事も無かったかのような態度で帰宅を告げると、「手洗ってらっしゃいっ!!」という声が返ってきた。

苦笑しながらもおとなしく従う。

鼻歌交じりでキッチンに立つ香の後ろ姿を見てしまった俺は、冴子の依頼の件を言い出せずにいた。


夕飯が終わりソファーの寝ころびながら冴子の件を考えていると、食後のコーヒーを持って香がやってきた。

ソファーの端に座ると、ポケットから例のイヤリングを取り出して眺めている。

「ね、明日の事なんだけど・・・一応ローマンも持った方がいいよね?・・・それにしても、教授ってば、こんな可愛いイヤリングくれるなんて・・・」

久しぶりにみる香の嬉しそうな表情(かお)に、ますます冴子の件が言いだしにくくなった。

(・・・どうすりゃいいんだよ・・・)

黙っている俺に違和感を覚えたのか、それまで楽しそうにしゃべっていた香が話すのをピタリと止めた。

「・・・香・・・?」

「・・・撩、困った顔してる。・・・どうして?」

俺の顔を、瞳をじぃっと見つめてくる香。

「・・・あ、あのな、実は冴子が・・・」

「こっちの依頼の方が先じゃないっっ!!どうして!?どうして迷うのよっ!!」

言い掛けた俺の言葉を遮るように香が声を荒げた。

「・・・おま・・・何で冴子の依頼の事知ってんだよ・・・?」

香が居ない場所での話しだったはずなのに・・・。動揺する俺の目には、今にも泣き出しそうな香の顔が映っていた。

「・・・聞いたのよ。偶然。あんたを探しに公園まで行って・・・。」

香の気配に気が付かなかった己の不甲斐なさに、思わずため息がこぼれた。

「・・・いや・・・な。冴子も困ってるみたいだし・・・な・・・」

なおも返事を濁す俺に業を煮やしたのか、香が泣きながら両手を突き出して言った。

「・・・んでよ。・・・選んでよっ!あたしか、冴子さんか。どっちか選んでよっっ!!」

イヤリングが握られているのは右手だ。迷わずその手を取れば良いのだろうが、今度は冴子の泣き顔が頭を過ぎった。


どちらの手もとれないでいる俺に、イヤリングが投げつけられた。

「もういいっ!!冴子さんとやれば!?あたしなんかより、冴子さんとやる方がいいんでしょ!!」

「ちょっ・・・ちょっと待てよっっ!!香っっ!!」

引き留めようとして伸ばした手を振り払われた。


バタンッ


勢いよく閉められたドア。一度も振り返らなかった香。

「・・・っきしょ・・・。どうすりゃ良かったんだよ・・・」

泣かせたかった訳じゃない。だが、結果として香を傷つけてしまったのだ。

俺は投げつけられたイヤリングを握りしめながら、ため息をつくしかなった・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
お待たせしました。遅くなってスミマセン・・・。

撩ちゃん、カオリンをまた泣かせてます。しょうもない・・・。

撩にとっては、冴子さんから槇兄を奪ってしまった。という負い目みたいなのがあるんじゃないかな?と思ってかいてみました。撩にとって、香と冴子に対する「思い」は別なんでしょうけど・・・。普段の行いがモノをいう。というか・・・

さてさて、香を泣かせてしまった撩は、このあとどうするのでしょうか・・・・





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【2014/03/11 00:00】 | リクエスト
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