CH2次創作サイト
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緊急避難と言われ、連れてこられたホテルの一室。急な展開について行けず、最初はパニックになっていたあたしだったが、撩の一言で頭が一気に冷えた。


ー「せっかく部屋取ってもらったのに、そのまま帰るってのもどうかと思うぞ?」ー


抱き上げられた時に撩の服から嗅ぎ取ったのは、冴子さん愛用の香水の匂い。

ふと、バルコニーの前で抱き合い、口づけを交わす2人の姿を思い出してしまった。


撩がこの部屋に一緒に来たかったのは、冴子さんなんじゃないだろうか?


そう思ったら、胸が締め付けられたように痛かった。

どす黒い何かが、自分を再び支配していく。

ー「リョウと冴子はそんな関係じゃないよ」ー

そうミックは言っていたが、信じられなかった。

あのとき、撩が選んだのは、あたしではなく、冴子さんなのだから。



自分ではどうすることも出来ないほどの、ドロドロとした感情にとらわれていたあたしを、撩が急に抱きしめてきた。

必死で抗えば抗うほど強くなる腕の力。

もがけばもがくほどに、強くなる香水の匂いに、あたしは堪らなくなって呟いた。


ーー「・・・あたしは冴子さんじゃない。」ーーー


その言葉に反応したかのように、撩の腕があたしを解放してくれた。

こんな惨めな顔を見られたくなくて、俯いたまま、そっと撩から離れようとした時だった。

再び撩があたしを抱きしめてきたのだ。


*********************
再び香を抱きしめる。

俺を拒否するかのように、硬く強ばっている身体を、今度はそっと、優しく。

顔を見られたくなくて、自分の胸に香の顔を押しつける様に抱き寄せる。

「・・・香・・・。」

覚悟を決めて、想いを伝えようとしたが、気の利いた言葉が見つからない。だが、今は言葉にする事が大事と感じたおれは、言葉を選びながら話し始めた。


「・・・おまえは冴子じゃねぇよ・・・。おまえは、俺のパートナーだろ・・・?」

腕の中の香が、小さく頭を横に振る。

それを押さえ込む様に、頭にまわしている手に少し力を込める。

「・・・俺は、おまえと冴子から槇ちゃんを奪った。・・・槇村の遺言通り、俺はおまえが独り立ち出来るまでの間の保護者になろうと決めた。・・・だが、俺はおまえの保護者になれなかった・・・。」

ふっと一度息を吐く。

「・・・いつからだろうな・・・。ガキにしか見えなかったおまえを、本気で手放したくないって思っちまったんだよ・・・。・・・今まで、色んな奴とパートナーを組んできたが、おまえ以上のやつ、居ねぇんだよ・・・。」

ジワリと俺の胸元が濡れてきたのが分かった。

腕の中の香は、じっとしている。

「・・・冴子とは、何もねぇよ。俺じゃあ槇村の代わりになんぞならんが、それでも、俺と仕事をすることで、あいつは俺の後ろに槇村の影を見てるんだろうよ。・・・俺には、それくらいのことしか、あいつにしてやれねぇんだよ・・・。」

今までじっと、俺の話に耳を傾けていてくれた香が、ふいに顔を上げた。

何かを探るような瞳で、じっと俺を見つめてくる。

こっぱずかしい思いがこみ上げてくるが、視線を逸らさずに真っ直ぐに香を見つめていると、香が呟いた。

「・・・撩が思ってるほど、あたしは出来た人間じゃない・・。・・・苦しいの。撩があたしに隠れて冴子さんの依頼を受けるのも、嫌なの。・・・分かってる。分かってるけど、自分が自分じゃなくなっちゃうんじゃないかって思うくらい、冴子さんに嫉妬してるのよ・・・。」

香の瞳からは、堪えきれなかった涙が次々とこぼれ落ちている。それを指で拭いながら、苦いものを感じていた。

真っ直ぐだったコイツに、こんな想いを抱かせたのは自分だ。嫉妬に狂い、飲み込まれそうな程に膨れ上がった思いを受け止めるのは、今しかない。


「・・・おまえがミックと並んで歩いてんの見て、俺が何も感じてないと思ってんのか?・・・俺は、ミックをパイソンでぶち抜いてやりたいくらいだったんだぜ・・・?」

見開かれた瞳。

「・・・だって、りょ、りょう、冴子さんと、キスしてたじゃない・・・」

「・・・ばぁか、フリだけだ・・・。」

「・・・フリだけ・・・?」

俺の表情を伺うかの様な香の視線を感じる。・・・まぁ、今までの態度を考えれば仕方ないか。

「さっきも言った様に、冴子の本命は今でも槇ちゃんだ。いくら俺でも親友の恋人にそんな事できねぇよ。」

ふいに香が俯く。

「・・・ごめん。あ、あたし撩と冴子さんのこと、疑って・・・。ダメだね。こんなんじゃパートナー失格だね・・・。ほんとにごめ・・・」

香の口からでてくる必要の無い謝罪を止めようと、指で香の唇に触れる。

びっくりした表情(かお)をした香に、そっとささやく。

「・・・先に約束していたおまえとの仕事を反故にしたのは俺。おまえは何にも悪くねぇだろ。謝るのは俺の方だ。・・・すまなかった。」

そっと、唇に触れていた指を頬へと移動させ、香の顔を上向かせる。視線が絡まる。

「俺のパートナーは、おまえが最後だ。その時々で、一時的に別の奴と仕事をするかもしれないが、本当のパートナーは、香、おまえだけだ。」

「りょっ・・・」

俺の本心が詰まった言葉が届いたのか、香の瞳が潤んでくる。

「うれしぃ・・・。ありがと・・・」

嬉しさで紅潮した頬、潤んだ瞳で見上げられちゃあ、流石の俺もお手上げだ。

少々意地の悪い笑みで俺らしい愛の言葉を囁く。

「・・・香。俺としては『公私ともにパートナー』になりたいんだけど、どう?」

「・・・えっ・・・///」

鈍感なシンデレラでも俺の真意は伝わったようで、真っ赤になって慌てている。そんな香に、ポケットに突っ込んで置いたケースから指輪を取り出し、スルリと左の薬指にはめてやる。

「・・・もちろん、答えは『YES』だよな?」

一瞬驚いた香だったが、自分の指にはめられた指輪をみて、こっくりと頷く。

少し背伸びした香の腕が俺の首にまわされた。

「・・・あんたの最後のパートナーはあたしよ・・・。」

惚れたオンナからの最高の告白に、頬を緩ませた俺。

この後、俺たちが『本当のパートナー』になるべく、甘い時間を過ごしたのは言うまでもないってか・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
お待たせして申し訳ありません。やっとたどり着けました。最後は撩目線で書いてみました。やっぱり、最後はラブな2人でいて欲しいのです。
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【2014/11/23 23:00】 | リクエスト
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こんばんは。夏に更新したきり、なかなか更新出来ずにいました。申し訳ありません。

忙しくなった事もありましたが、心がついていかなかった。というのが、本当の所です。

大切な人を喪いました。二度と、会えない。

数年が経ち、彼がいない事が当たり前となってきても、それでもふとした瞬間に、途方もない悲しみが襲ってくるのです。

この夏がそうでした。

季節がめぐり、このままサイトを閉めてしまおうかな・・・と考えていた矢先、一通のメールが届きました。

「お忙しいとは思いますが、続きをお待ちしております!!」

泣きました。本当にうれしかったです。続けよう。という気持ちになれました。

悲しい事もあるけれど。でも、それでも前へ。

せめて自分が書く2人は幸せに・・・。遅筆ですが、これからもどうぞよろしくお願いいたします



【2014/11/23 22:40】 | つぶやき
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