CH2次創作サイト
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「・・・やっぱ帰ってこねぇか・・・」

夕闇迫る屋上で、煙草をふかしながらポツリと呟いた。

そろそろ自分も支度をしなければ冴子との待ち合わせに遅れてしまう。

わかっていながらも、心のどこかで香が帰って来るんじゃないか?という思いが心の隅に引っかかっていて動けずにいるのだ。

差し出された手を取れなかった俺の事を、いつもの様に香は笑って許してくれるんじゃないかという甘い期待もあったのだが、今回ばかりは許してもらえないようだ。

空をぼんやりと見つめていると、ゆっくりとビルの合間に太陽が沈んでいくのが見えた。

「・・・行きますかね・・・」

経緯はどうあれ、今回結果としては冴子の依頼を選んだ俺。一番星が輝きだした空を見上げ、ふっと息をつくと支度をするために自室へと向かった・・・。



某有名ホテルの最上階にあるレストランが今回の目的地だった。冴子の話しによれば、そのホテルの一室で麻薬と人身売買の取引が行われるという。接待役のホステスも、商品の一部ということだった。

ブルーのロングドレスを纏い、毛皮のコートに包まれた冴子をエスコートしてホテルに入る。


冴子が用意した俺の肩書きは、警察が今回の作戦のために作ったダミー会社の若手社長というものだ。冴子はその恋人役なので、俺たちはそれらしく寄り添って会場内を歩いた。


「・・・それにしても、まぁすごい面子だな・・・」

まるで政財界のパーティーかと思うほど、政界の面々が揃っている。こいつら皆がグルかと思うと反吐が出そうだ。

「・・・もう少ししたら、やつらが動き出すわ。今日の取り引きはお互いの秘書が出るはずよ。その時踏み込むから。」

俺の腕に自分の腕を絡めながら小声で冴子が囁く。

「・・・わかった。お前も俺の方の依頼に協力しろよ?」

そう言うと、冴子の耳元で揺れている涙型のイヤリングにそっと触れる。

本当なら、今頃俺の隣にいるのはブルーのロングドレスを纏い、このイヤリングをした香だったはずなのに・・・。

そんな事を考えていたら、一瞬冴子が香と重なって見えた。


「・・・撩?大丈夫?今日のあなた、何だか変よ・・・?」

ぼんやりしていたのだろう。怪訝な顔をした冴子が俺をのぞき込んでいた。

はっとして、頭を一振りする。

「あ、あぁ。すまん。大丈夫だ。」

そう冴子に告げた時、会場の入り口がざわついた。

振り返って、思わず息を飲む。


会場の視線を集めていたのは、淡いピンクのホルターネックのロングドレスを纏い、髪を結い上げた女性と白人男性のカップルだった。

「・・・かお・・・り・・?」

隣にいるのはミックだ。変装した香の腰に手を添え、優しくエスコートしている。

歩くたびに揺れるシフォン素材のふわりとしたドレスの裾。耳元にはパールのイヤリング。そして、左手の薬指にはシンプルな指輪がはめられていた。

次男美女の2人が移動する先々で、ほぅっという感嘆のため息が漏れる。

・・・なんで、ミックがお前の隣にいるんだよ・・・?

「夫婦」という設定上、指輪は必要なアイテムだということはわかっているのだが、隣にいるのがミックというのが気に入らない。・・・というよりも、俺以外の男が、香に馴れ馴れしく触れること自体に激しい嫉妬と嫌悪感を抱いているのだ。

ギリッと奥歯を噛みしめる俺に、冴子が異変を感じて声をかけてきた。

「・・・ねぇ。あれってミックよね・・・?隣に居るのって、まさか香さん?」

「・・・あぁ・・・。教授とかずえちゃんの研究に、タカサキカンパニーが横やり入れてきたんだってよ。だから、意趣返しにあいつらの悪事をバラまいてやるための証拠になるのを盗聴するように依頼されてたのさ。」

そこまで聞いて、冴子も事の顛末を察したらしい。小さな声で「ごめんなさい。私が割り込んだのね・・・」と謝ってきた。

「いや。今回の件は、香も知ってるから心配すんな。それよりも、そろそろやつらが動きだすぞ?」

そう、今は目の前の依頼を片づけるのが先だ。

懐の相棒にタキシードの上からそっと触れると、冴子をエスコートしながらターゲットである恩田代議士へと近づいて行った・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
カオリン、今回はミックとパートナーを組んだようです。撩としては、気が気じゃないでしょうね・・・。





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【2014/04/24 00:00】 | リクエスト
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「Buddy of real」に、拍手コメントをありがとうございますm(_ _)m お返事が出来なくて申し訳ありません(-_-;)

2人バラバラという設定は初なので、この後をどうしようかと色々妄想を膨らませております。ふふふ~♪


どうでも良いことなのですが・・・・。

先日、子供の教科書を何気に眺めていて、思わず目が釘付けになってしまいました。

「ふきのとう」という文章だったのですが、雪の下からふきのとうが踏ん張って地面から顔を出す。という表現に、「もっこり」という言葉が使われておりました・・・。

芽吹きの季節を表現した素敵な文章なんですが、子供が音読する度に撩の顔が思い浮かんでしまう今日このごろです。

あらぬ妄想を母がしているとは知らず、子供に大きな声で「もっこり」と言われると、何故か恥ずかしい気持ちになる私でした・・・(笑)


【2014/04/23 23:48】 | つぶやき
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イヤリングを握りしめたまま、どれ位呆けていたのだろう。

・・・やっぱりこのままなんて良くないよな。冴子の依頼を受けるにしたって、きちんと話し合わなければ・・・

そう思い、香の部屋の前に立つと、コンコンとドアをノックする。

「・・・香。悪かった。ちゃんと話しをしよう?な?」

部屋の中に居るであろう香に声を掛けるも、返答はない。

そっと気配を伺おうとドアに耳を当てると、ヒュウッという風の音とガタガタという窓が揺れる音がしていた。

・・・?

イヤな予感がして、もう一度部屋のドアをノックする。

「香!?開けてくれ!!香?!」

やっぱり返答のないドアに体当たりして、部屋の中へと入ってみれば、そこに香の姿はなかった。

「・・・香・・・?」

部屋の窓は開け放たれ、冷たい風が吹き込んでいた。窓を見ると、ピアノ線が垂れていた。

・・・ここから降りた訳か・・・

予想外の展開に、呆然としながら部屋を見渡すとドレッサーの鏡に、メモが張り付けてあるのに気が付いた。


『教授の依頼はあたし一人で大丈夫です。撩は、冴子さんを助けてあげて下さい』


香らしくない乱れた文字に、胸がキリキリと痛んだ。

どんな思いで書いたのか・・・。

自分が居れば、俺が冴子と自分の間で困る事が分かっていて、黙って姿を消したんだろう。

「・・・こんな寒い中、何処行っちまったんだよ・・・」

後を追おうにも、発信器は置いて行かれてしまっている。タコんところも遠出の依頼があるため、数日不在だ。江梨子さんだって、今夜からドイツへ行く予定なはず・・・。

一瞬、教授の家かと思ったが、車は車庫に入ったまんまだ。それに、日を跨ごうという時間帯に、アイツが人様の家に転がり込むなんて芸当出来るわけがない。



途方にくれていると、リビングから電話の呼び出し音が聞こえてきた。

・・・冴子か・・・?

夜に電話すると言ったきり、連絡を寄越さない俺に業を煮やして電話してきたのかと思って電話に出ると、相手はミックだった。

「撩か?・・・香は俺が預かっている。だから安心してサエコの依頼を受けていいからな。それじゃ。」

プツンと一方的に切られた電話。

何で香がミックと一緒なんだ?!

慌てて向かいのオフィスに目をやるも、人がいる気配はない。

つまり、どこか別の場所に匿っているということだ。


ふぅっとため息をつくと、俺は受話器を取り、冴子へと電話をしたのだった・・・。



翌朝になっても、やっぱり香は帰って来なかった。

念のため、ミックの家とタコの家にも連絡してみたが応答はなかった。

仕方なしに教授の家へ電話するとかずえちゃんが出た。

「あら冴羽さん。どうしたの?教授なら今出かけていて留守だけど?」

「・・・あ~・・・かずえちゃん。ミックそっちに行ってないかい?」

それとなく探りを入れてみる。

「ミック?居ないわよ?彼もいま、大きなスクープを追っているから忙しいみたいなの。だから暫く会ってないわ。」

「そっか・・・。ん、いや、いいんだ。ちょっと聞きたいことがあっただけだから。かずえちゃんも研究頑張ってね~。」

がちゃんと受話器を置くと、深いため息を付いた。

結局冴子の依頼を受けることにしたのだが、香の事は別問題だ。

一人で教授の依頼を片づけるつもりでいるのが気にかかる。肝心の盗聴器はアパートに置きっぱなしなのだ。着ていくはずのドレスもベッドの上に置いたまま。


「・・・香・・・」


選ぶことが出来なかった俺の事を、香はどう思っているのだろうか?

冴子を選んだのだと思っているのだろうか?自分はパートナーとして認められていないと思っているのではないだろうか?

「・・・お前しか、いないんだよ・・・」

香のベッドに腰掛け、ドレスをそっと撫でる。2日前、江梨子さんの所で試着していた時の香の笑顔が思い出される。

「・・・帰って来てくれ・・・」

今更なのかもしれない・・・。だが・・・

諦めきれない思いと、香へのプレゼントとして用意していた小さな箱を握りしめて、香の部屋の窓から空を見上げていた・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一ヶ月放置・・・。スミマセン~(-ω-;) いろんな事が重なり、中々更新できませんでした・・・。

家出してしまったカオリン。すれ違ってしまった2人。このあとどうなるのでしょうか・・・?






【2014/04/17 00:00】 | リクエスト
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