CH2次創作サイト
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「りょお~~!!依頼よっ!依頼っ!!依頼人は男だけど、今回ばかりは絶対に受けてもらいますからねっっ!!」

2ヶ月ぶりの依頼が男・・・しかも若いヤロウと知って、こっそり逃げようとしたところを、香に首根っこを押さえられ、引きずられるようにキャッツへと向かって(?)いる俺。


「あぁ~~?男~~?撩ちゃんやる気でなぁ~い!!だって、もっこり報酬なしなんだもぉ~ん!」

無理矢理ボックス席に座らされて、ブツブツと文句をたれてみるが、香はギロリと俺を睨んだまま冷たく言い放った。

「・・・あんたねぇ、この2ヶ月でどんだけツケ作ってると思ってるの!?この依頼が無事に終わってツケ返し終えないと、出入り出来ないようにお店には頼んであるから、そのつもりでいなさいよ!?まったく・・・!!」

「・・・で、出入り禁止って・・・。しょ・・・しょんなぁ~~・・・」

・・・逃げるっていう選択肢はないわけね・・・ガックシ・・・

うなだれていると、依頼人が来て、香と依頼内容の確認等をし始めた。依頼内容は至ってシンプル。製薬会社の新薬を狙って、ライバル会社から脅迫を受けているので守って欲しい。という物だった。期間は一週間。認可が降りれば莫大な金が動くため、今回は会社が、開発者である依頼人のガード料を気前よく出してくれるという有り難いお話だった。



28歳独身、製薬会社勤務。新薬開発に大きく貢献したとなれば、前途有望な青年だ。ルックスも悪くない。・・・問題なのは、研究熱心なあまり、彼女の一人もいない・・・という所だ。

「・・・めんどくせぇ・・・。」

自室のベッドに寝ころんで、ポツリと呟く。こういう場合、大概の男は香の献身的なサポートに心を奪われ、そして惚れる。で、最後は俺に追っ払われるハメになるんだな・・・。今回も、そんな騒動が起きるのかと思うと、ため息しか出てこない。まぁ、当の本人が気が付いてないのが、唯一の救いなのかもしれんが・・・

明日から一週間、俺と香も臨時の社員として会社に出勤することになっている。・・・今回は、出先でも要注意ってか?

「・・・ま、自業自得ってヤツか・・・」

香との関係を曖昧にし続けている自分が悪いのだ。他の野郎にくれてやるつもりなんかないくせに、パートナーという都合のいい言葉の元に香を縛り付けている最低な男だという自覚もある。あるのだが、捻くれ曲がった根性が、言うことを聞くはずもなく・・・。出てくるのは、ぼやきとため息ばかりである。



翌日から、2人揃って製薬会社の臨時職員として高幡のガードをするために出勤した。今回は、会社からの依頼でもあるため、内部でコソコソしなくて良い分、気が楽だったはずだったのに・・・。

「槇村さん、独身なの?こんなに美人で、家庭的なのに?」

「え~?彼氏は居ないんですか?居ないんなら、今度飲みにでも行きましょうよ!・・・あ、今夜歓迎会しましょうか?」

・・・初日から、男子研究員達の格好の餌食になっている香。こういう時、男慣れしてないのが目に見えてわかる。

・・・しょうがねぇなぁ・・・

チッと舌打ちすると、香を取り囲む様に群がっていた男共の中にはいって行き、グイッと香の肩を抱き寄せた。一瞬、身体を堅くした香だったが、安心したのかすぐに身を寄せてきた。

「・・・こいつとは、こういう関係だから。一緒に住んでるし。」

同棲してる関係・・・つまり俺の彼女だ。と、ジロリと男共をひと睨みすると、奴らは蜘蛛の子を散らすかの様に去って行った。ほっとため息をつく香。

「・・・撩、ごめんね。助かった~・・・。」

「・・・ったく、あんな奴らくらい、自分で追っ払えよ。・・・しっかし、見事に男ばっかりで嫌になるな。かずえちゃんみたいな、もっこり美人が一人くらいいるかと思ったのにな~~。あ~あ。つまんないのぉ~」

嫉妬に狂う心とは裏腹に、香を傷つける言葉を吐く自分に嫌悪すら覚えた。



一週間後、ライバル会社の稚拙な嫌がらせを撃退し、無事に依頼完了となった俺たち。高幡のヤツも、俺と香が恋人同士だと勘違いしてくれたようで、今回は俺の睨みは必要なかったのが、有り難かった。

いつもなら依頼完了の後は、ツケを気にせず飲み歩くのだが、どうも香の様子がおかしいのが気になって、今夜は出るに出られずにいた。

依頼料が振り込まれ、ツケを払ってもまだ余裕があるはずなのに、今日の香はどことなく冴えない表情をしていたのだ。



夕飯を終えても一向に出かける様子がない俺を見て不審に思ったのか、「今日は出かけないの?」と、香がコーヒーカップを下げつつ聞いてきた。

雑誌を広げ、ソファに寝ころんだまま答える。

「ん~?今日はお気に入りの娘がお休みなの~。だから、撩ちゃんもお休み。今日は芸術鑑賞の日って決めたんだもんねぇ~♡」

そんな俺の言葉に、いつものハンマーや憎まれ口は返って来ず、「そう。」と一言返答されたのみ。

・・・やっぱ変・・・だよな??

不審に思いながらも、その後風呂に入りそれぞれがお互いの部屋へと引き上げて行ったのだが、香の様子がおかしいのが気になって眠れず、仕方なしにベッドの引き出しに入れてあるウォッカを取り出し、そのまま口を付けた。暫くすると、酒が回ってきたのか、少しぼぉっとしてきた。

・・・これで眠れるな・・・。うつらうつらしかけた時だった。コンコンという控えめにドアをノックする音が聞こえたのは。

「・・・撩・・・?起きてる・・・?」

声の主は香だった。・・・時計を見やれば、深夜2時になろうという所である。こんな時間に一体なにがあったのか?

「・・・起きてるよ。どうした?」

ドアの外で緊張感を漂わせている香の顔をみようとドアを開けると、ギュッと香に抱きつかれた。勢い余って支えきれず尻餅をつく。

「ってぇ~・・・。香、おまえ何考え・・・」

俺に抱きついている香の姿に、言葉を失った。俺のシャツ一枚、しかも下は何も履いていないというそそられる格好に、思わず焦る。

「お、おまえ、なんちゅう格好してんだよ!!寝ぼけてないで、早く自分の部屋帰って寝ろ!!!」

目を逸らさなければ。と思っているのに、離れない。シャツの合間から見える胸の谷間、白く長い足。ますます焦る俺の耳に聞こえて来たのは、香からのとんでもない一言だった。

「・・・依頼の報酬、あたしじゃダメ?」

・・・なんだって!?幻聴だよな?信じられない思いで、大口を開いてポカンと香をみていると、潤んだ瞳で香がもう一度言った。

「・・・あたしじゃ、冴子さんみたいに・・・報酬の対象にはならない・・・?」

酔いが一気に覚めた。香はこんなことするような女じゃない。引っ付いて離れない香を無理矢理に引っ剥がすと、顔を両手で挟み、のぞき込んだ。

「・・・何があった?お前、こんなことする女じゃないだろ?」

「・・・撩の言うあたしって、何?・・・撩が思ってるほど、あたしは綺麗でもなんでもないし、子供じゃない!!」

伏せられた顔から伝い落ちるのは香の涙。俺が吐く、心とは裏腹の言葉に傷つき、悲鳴を上げていた香の心。

息をするのさえ苦しくなるほどに、胸が痛んだ。



「・・・ごめん・・・。バカなこと言って・・・。忘れて・・・?」

力なく、ふらりと立ち上がって去ろうとした香。その腕をぐいっと引き寄せると、抱きしめた。

「・・・行くな。」

俺は香を抱き抱えるとベッドへと降ろし、お互いの手を絡ませる様に重ね、香を組み敷いた。涙に濡れた瞳が、じっと俺を見ていた。

乱れた髪の隙間から見えている額に、そっと口づける。

「・・・お前にこんな事いわせるなんて、最低だな俺。・・・お前を、女として見ちまったら、自分が押さえられそうもなくて、怖くて逃げてたんだ・・・。触れてしまったら、お前まで闇に堕としてしまう気がして・・・」

素直な気持ちを告げると、香は大きな瞳をしばたかせて、じっと俺を見つめていた。

「・・・撩のバカ。あたしはあたしよ。・・・それに、撩と一緒なら、堕ちるところまで堕ちても、怖くない。」

その一言に、今まで悩んでいたことが、如何に馬鹿らしいことだったかを知った。香は俺と堕ちても構わない。と言ってくれた。

肩の力が抜け、頬が緩む。押し殺していた感情が溢れ出て、何とも言えない幸福感に包まれた。

・・・今夜はこのまま・・・このまま、香を腕に抱いて眠りたい・・・

絡めていた指を解くと、そっと香の頬を撫でた。

「・・・なぁ、香?このまま・・・今日はこのまま、俺と一緒に眠らないか?・・・俺の傍にいて欲しい。・・・ダメか?」

伺うように香の顔をのぞき込めば、潤んだ瞳とぶつかった。

「・・・やっぱり、あたしじゃ・・・ダメ・・・?」

自信なさげに俯く香の頬を両手で挟むと、そっと唇にキスを落とした。

「・・・バカだな・・・。惚れた女を抱く口実に、報酬なんて言葉使う男がどこにいるんだよ?・・・今日は、ただお前を感じて眠りたいんだ。」

正直な想いを口にすると、香は小さく頷くと腕をそっと俺の背中に回してきた。細くしなやかな身体を抱き寄せる。

互いの心音を感じるほどの距離感に、ガキの様にドキドキしている自分がいる事に気が付き、苦笑した。

「・・・あったかいな・・・」

「ん・・・。・・・撩って、あったかい・・・」

その夜は、ただお互いの温もりを感じあって眠った俺たち。


男の依頼は嫌だが、香の添い寝・・・という有り難い報酬が付いてきた今回の依頼。・・・たまには、男の依頼も悪くないかもな・・・?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
たまには、こんな2人もいいかな・・・?と。積極的なカオリンと押され気味な撩。・・・どうも、うちの撩はヘタレ気味な気がします・・・。

うまく文章が纏まらなくてすみません。ホントはもっと甘い2人を書きたいのですが・・・・。う~む・・・
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【2013/11/25 23:05】 | 短編
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右肩を撃ち抜かれた香を教授たちの元へと連れて行くと、手際よく教授とかずえちゃんが処置してくれた。

顔色が蒼白だったため、かなり出血したのでは・・・?と、心配で仕方ないが、自分にできることがないため、気を紛らわそうとクーパーのボンネットに腰掛けると、煙草をくわえて火をつけた。

ミックは落ち着かないのか、簡易テントの前をウロウロとしている。・・・はっきり言って目障りだ・・・(怒)

「ミック!てめぇ、そんなところでウロウロすんな!!目障りなんだよっ!!」

「NO!!俺はカオリの事が心配でたまらないのに、お前こそ何なんだ!?カオリが怪我をしたっていうのに、心配じゃぁないのか!?」

「なっ・・・!!てめぇに何がわかる!?俺はっっ・・・!!」

俺たちがテントの前で言い争いをしていると、中から教授がヒョッコリ顔を出した。

「おぬしら、中にはけが人がおるんじゃぞ?ちっとは静かにせんか。・・・撩、入れ。香君を車に乗せて儂の家まで運んでくれんかの?取りあえず処置は終わったが、少々出血が多くての・・・・。利き腕じゃし、数日家で様子をみたいんじゃ。」

教授の後に続いてテントの中に入ると、血と鉄錆の匂いが充満していた。ベッドに横たわる香は、すぅすぅと寝息をたてていた。肩の傷に触れないよう、そっと香を抱き上げ、ワゴン車へと運ぶ。香を横にしてやっていると、ミックが運転席に乗り込んできた。

「お前はそのままカオリに着いててやれ。運転くらいなら俺で十分だ。」

助手席にはかずえちゃん。後ろには教授が乗り込む。香は頭を置く位置が定まらないのか、寝返りをしようとしては痛みに呻いていた。

「・・・ったく・・・。しょうがねぇなぁ・・・」

ブツブツと文句を言いつつ、香の頭をそっと自分の膝に乗せてやると、香は落ち着いたのかほっとした表情をしている。

猫っ毛のあいつの髪を指に絡めながら、そっと目を閉じる。今はただ、自分の膝の上の温もりを、心の底から愛おしい・・・と思うのだった・・・。



2週間後。動かすと痛みはあるものの、片手でそれなりの生活ができるようになった香は、アパートへと帰りたがった。

「・・・だって、ここにいると教授やかずえさんの邪魔になっちゃうでしょ?それに、アパートの方が美樹さんだって通いやすいし・・・」

俯きながらゴニョゴニョと、帰るための「理由」を必死になって探している香をみて、可愛いと思った。

・・・まぁ、帰りたがる理由を作ってるのは、俺だしなぁ・・・

クククッと思わず笑ってしまうと、香から久しぶりのハンマー(1t)がお見舞いされた。

「何笑ってんのよっっ!!元はと言えば、あんたが悪いんだからねっっ!!」

耳まで赤くして抗議してくる香。



・・・そう。香を教授宅へと運び込んだ後、俺は香の目が覚めるまでは・・・と、傍についていたのだった。

そして夕方、やっと目覚めた香に、俺は真っ先に自分の正直な気持ちを伝えたのだった。

「・・・香、今回の件は、俺と海坊主が過去に受けた依頼に絡んでのヤマだったんだ。それにお前や美樹ちゃんを巻き込んでしまって、すまない。」

先に言わなければ、香の性格上、今回もまた俺に迷惑かけた・・・なんて言いだし兼ねないと思ったからだ。

「・・・香、良くやったな。お前がいなけりゃ、美樹ちゃんだって無傷で脱出できなかった。それに、あの時だって、お前の投げた小型爆弾のお陰で、俺はヤツを撃つ時間が出来たんだ。・・・正直、あれには驚いたけどな・・・。まさか、あんなもんまで隠し持ってたとはね・・・。・・・大人しく待ってればいいものを・・・・。このじゃじゃ馬が・・・・」

ベッドに横になっている香の額をデコぴんしてやる。つつかれた額を左手で押さえながら、香がぷぅっと頬を膨らませて言った。

「・・・だって、ただ待ってるのはイヤだったの。少しでも撩の助けになれば・・・って思って作ったのよ?・・・だって、この3ヶ月の特訓は、そのためのものだもん・・・」

・・・撩と対等になろうなんて思ってないけど、少しでも背中を預けてもらえるようなパートナーになりたかったの・・・

小さな声で呟かれた一言に、胸が締め付けられる思いがした。そっと香を抱き起こすと、傷に触れないよう抱きしめる。

「・・・ばぁか・・・。この俺が安心して背中を預けられんのは、今も、これからもお前だけだよ・・・。」

華奢な背をそっと撫でてやる。言葉にならないほどの、愛しいという感情が少しでも香に伝わるように・・・。

「・・・ほんと・・・?ずっと・・・?あたしだけ・・・?」

自信なさげに確認してくる香の顔をのぞき込むと、涙に濡れた瞳とぶつかった。

「・・・お前だけだ。・・・ずっと・・・。」

そう言って、香の唇にそっと自分の唇を触れあわせる。

真っ赤になって固まっている香に苦笑しながら、耳元で囁いた。

「・・・これから、覚悟しとけよ?香ちゃん♪・・・身も心もずっと、俺のパートナーはお前だけだからな?」

意地の悪い笑みを浮かべながら囁いた一言に、香は真っ赤になりながらも、ぎゅっと俺に抱きついてきた。

「・・・うん、あたしもずっと撩のパートナーがいい・・・撩だけの・・・」



そんな甘いやりとりがあった後。怪我で動けない香の面倒をみるのはパートナーである俺の責任だ!!と言い切って、身の回りの世話を焼こうと張り切って(特に着替えとか、身体拭きとかぁ~・・・グフフ・・・)いたのに、香のヤツ・・・

「あんたに着替えの手伝いなんて頼める訳ないでしょ!?自分でやるからいいわよっ!!出てって!!」

あぁ~??身も心もパートナーになるんじゃなかったのか~?!折角の俺の好意を~~!!

その後、今までの自分とは思えないような言動の数々で、香を赤面させ、周りの連中も呆れかえるほどの状態だった俺。

(大したことはしてないぞ・・・。まぁ、着替えを手伝ってやろうと思って、ちょっと部屋を覗いたら偶々、香が裸だった・・・とか。後は、左手じゃぁ飯も食いにくいだろうから、食べさせてやったついでにチューをしたとか・・・その程度だ!!)

今までとは、真逆とも言える俺の言動に振り回され続けた香は、別の意味で疲労困憊したらしく、人目のきにならない自分のテリトリーであるアパートへと帰りたがっているのであった。

教授はと言うと、俺たちのやりとり(特に俺?)を見て楽しんでいるようで・・・

「・・・毎日かずえ君か儂に傷を見せる事と、家事は厳禁じゃ、大人しくしてなさい。それから、決して一人では外に出歩かん事。それが守れるならいつでも退院して良いぞ?」

意地の悪い教授からの指示に、香が抗議の声を上げる。

「えぇ~~!?で、でも・・・家に帰ったら色々自分でやらないといけないし・・・。」

躊躇する香の言葉を遮って、俺は話しに割って入る。

「その条件、のみます!!家事は俺がやれば良いわけだし・・・。だぁいじょうぶっ!!撩ちゃん、頑張って香ちゃんのお世話するもんねぇ~~♡」

ニヤケ顔の俺を見て、香が悲鳴を上げた。

「や~!!無理っ!!無理よっ!!美樹さん!お願い、毎日来て!!」

助けを求められた美樹ちゃんは、悪戯な笑みを浮かべて俺たちの顔を見比べている。

「え~?せっかく冴羽さんが家事とかやってくれるって言ってるんだから、お願いしなさいよ?香さん。こんな事、滅多に無いわよ?・・・まぁ、掃除に関しては不安が残るから、もちろん手伝いにはいくつもりだけどね・・・・?それに・・・アパートなら、香さんも遠慮なく冴羽さんに甘えられるでしょ?」

チラリと香の顔を見つつ、楽しげに話す美樹ちゃん。さっすが美樹ちゃん!分かってるぅ♪

がっくりとうなだれる香。結局、人目を気にしない方を選んだ香は、翌日教授の許可の元、アパートへと帰ってきたのであった・・・



緊張した面もちの香の背を、そっと押すとアパートの中へと入れる。

「・・・ばぁか・・。今にも取って喰われそうな顔すんなよ。・・・これから、ずっと一緒なんだ・・・。だから、少しずつ慣らしてやっから。時間はたっぷりあるんだし。」

そう言って、ソファの端で小さく固まっていた香にホットミルクを差しだしてやった。

・・・そう、時間はたっぷりある。今までの遅れを取り戻せる位、怪我を理由に香を甘やかしてやるつもりだ。他の連中に何と言われようと構わない。

ホットミルクを啜りつつ、上目遣いで俺の様子を見る香を眺めながら、取りあえず何をしてやろうか・・・と、色々思いを馳せている俺だった・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
しの様、こんな感じになりましたが、いかがでしょうか?リクエストにお答えできなかった部分もあるかとは思いますが、私の頭と文章能力では、これが限界でした・・・(-_-;) 少しでも楽しく読んでいただけましたら、嬉しいです。

最後まで読んで頂いた方、どうもありがとうございました。お返事の方は、順次させていただきますので、もう暫くお待ち下さいm(_ _)m

次回は、短編になると思います。お時間がありましたら、また遊びに来ていただけると嬉しいです♪

【2013/11/20 00:00】 | To the destination ~しの様リクエスト~
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ー早朝5時。まだ暗い東京湾に停泊する大小様々な船の中に、目指す船はあった。

かずえちゃんと教授の安全を考えて・・・と、2人のガードにミックも着いて来やがった。

・・・たぶん、香の事が心配でならないのだろう。居ても立っても居られない・・・って感じか?


「・・・撩、行くぞ。俺と美樹で雑魚は片づける。お前は香を探し出すのを優先しろ。」

そう言った海坊主は、いつにも増して重装備である。美樹ちゃんもマシンガンを引っ提げている。

船内の様子は曖昧な点が多いが、ある程度教授が調べてくれたお陰で、香が監禁されているであろう場所は見当がついていた。

俺もホルスターに相棒が収まっているのを確認すると、大きく伸びをした後、待機組の3人に声を掛けた。

「んじゃ、行ってくるよ。・・・ミック、2人の事、頼んだぞ?」

「OK!お前はさっさと行って香を助け出して来い!!」

バシッとミックに背中を叩かれる。教授とかずえちゃんは頷いていた。

「んじゃ、行きますか」

待機組の3人の背を向け、俺たちは香が捕らえられている船へと向かった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
船内の一番下にある船室に、香は捕らえられていた。扉には鍵が掛けられていたが、幸い拘束はされていない。

「・・・痛った・・・どこが手荒な真似しないよ・・・」

打ち抜かれた右肩はバンダナで止血していたが、じわじわと出血している。奪われていく体力を感じながら、腕にはめていた時計を外し解体していく。
中には、プラスチック爆弾と導火線。袖口からはワイヤーを引っ張りだした。

「・・・早くしないと撩達が来ちゃうわね・・・」

先ほどから上の方が騒がしい。・・・あいつはあたしを人質として撩の前に引っ張り出すつもりだ。その時に少しでも撩の役に立つように、ちょっとした細工をするつもりだった。

10分後、細工を終えた腕時計を元どおり手首にはめた所で、あの男が現れた。

「お嬢さん、待たせたね?君の出番だよ・・・」

冷めた笑みを浮かべた男は、あたしの両手を後ろ手に縛り付けると銃を突きつけ、部屋から引きずりだした・・・


連れて来られたのは操舵室の横の部屋だった。男は、その部屋の隅にあるパイプにあたしの手を縛り付けた。

後ろ手にされたことで、右肩の傷口が開いたのだろう。さっきより出血量が多くなっていた。・・・ちょっとヤバいかも・・・頑張れあたし!!

力の入らなくなってきた身体に、心の中で激を飛ばす。・・・せめて、撩が来るまでは・・・


薄れ掛けた意識を浮上させたのは、銃撃戦の音と、男たちの罵声だった。

「それ以上行かせるなっ!!撃てっ!!」

「早くしろっ!たった一人に何を手こずってるんだ!?」

近づいてくる気配と足音は、紛れもなく撩の物だった。

・・・・間に合ったわね・・・

意識を保つために、唇を噛みしめた。・・・あと少し・・・。目を閉じると全神経を集中させると、撩の気配・・・動きを読む。

タイミングを間違える訳にはいかない。一発勝負なのだ。

・・・来る!!

ドアが大きく開け放たれた。視線の先には撩の姿。

「香っ!!」

撩の視線は、目の前にいるあたしに注がれていた。あいつがそれを見逃す訳もなく、ドアの横から銃弾が撩目掛けてとんできた。

難なくそれらを避けた撩をみて、男は拘束されているあたしに寄ると、ぐいっと傷口に銃口を押しつけてきた。痛みのあまり、思わずうめき声が漏れた。

「動くなっ!!貴様のパートナーがどうなってもいいのか!?・・・銃を捨てろ!!」

撩と視線が絡み合う。

「・・・・・」

ゴトッという音と共に、撩はパイソンを床に置くと足でそれをこちらへ蹴って滑らせてきた。

「・・・物わかりがいいな・・・。そのままじっとしてろ。まずはお前から血祭りにあげてやる!」

ゆっくりと銃口が撩に向けられる。撩は静かに佇んだままだ。



心の中でゆっくりとカウントダウンする。

3・2・1・0・・・!!

袖口に仕込んだカミソリでロープを切り落とすと同時に、細工を施した腕時計のボタンを押すと、腕から外して男の足下に投げつけた。

床に伏せたのと同時に、パンッ!!という軽い音と共に、小さな爆発が男の足下で起きた。突然の事に、一瞬動きが止まった男の隙を撩が見逃す訳がなく、撩はパイソンに飛びつくと一瞬の内に男の銃を撃ち落とすと、両手足を撃ち抜いていた。


「・・・形勢逆転だな・・・ジャック。」

ジャックに銃口を向けたまま、床に伏せている香の元へ駆けよる。撃ち抜かれた右肩からの出血は止まっておらず、一刻を争う状態だ。

抱き起こすと、香はうっすらと目を開けて俺をみた。

「・・・りょ・・・。ごめ・・・ん・・・。美樹さん・・・は・・・?」

苦痛で脂汗を流しながらも、美樹ちゃんの心配をする香にため息を付きたくなった。

「お前のお陰で無事だ。傷一つねぇよ。・・・おいでなすった。」

俺が言い終えたと同時に部屋に踏み込んできたのは海坊主と美樹ちゃん。

「香さんっっ!!」

俺の腕の中の香を見て、美樹ちゃんが駆けよってきた。当の香は、美樹ちゃんの無事を聞いて安心したのか、気を失っていた。

「だぁいじょうぶ、美樹ちゃん。こいつ、そんな軟じゃねぇし。・・・それより、あいつの事頼めるか・・・?」

そう言って、ジャックにチラリと視線を投げる。

両手足を俺に撃ち抜かれたヤツは、痛みのためか、床の上でのたうちまわっていた。

「・・・やりすぎだぞ・・・撩。・・・さっさと行け。」

そう答えた海坊主に肩をすくめると、香を抱き上げて部屋を後にした・・・・



俺は、香を抱き抱えて走りながら、救出した時の事を思い出していた。・・・正直、あのとき香がロープを切ることは読めていた。だが、あいつの足止めをするような小型爆弾まで用意していたなんて、想像もしなかったのだ。おかげで余裕ができ、意趣返しとばかりに、ヤツの両手足を撃ち抜くことができたのだ。

「・・・とんだじゃじゃ馬だよ・・・お前は・・・。・・・・帰ったら、お仕置きが必要だな・・・」

こんなじゃじゃ馬、俺以外誰が面倒見れるってんだよ・・・?・・・覚悟しとけよ?カオリちゃん♪

傷が癒えて、アパートに帰ってきた後の事を考えると、自然と笑みがこぼれた。汗をかいた香の額に一つ誓いのキスを落とすと、船を降り、教授たちが待つ車へと向かった・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
完全放置状態で、スミマセン~(-_-;) 気にはなっていたのですが、あまりの忙しさに、こちらまで手が回りませんでした・・・(;´д⊂)

(・・・現在このタブレットの横に、仕事用のパソコンを並べつつ、同時進行・・・という事をしております・・・)

書きたいお話は頭の中にあるのに時間と体力がないのが悔しい・・・(泣)

・・・さて、無事(?)に香を助け出した撩です。カオリンお疲れさま~。

【2013/11/17 23:00】 | To the destination ~しの様リクエスト~
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「冴羽さんっ!!ごめんなさい!!」

全身に擦り傷を負った状態で海坊主と戻ってきた美樹ちゃんは、俺の顔をみると、泣きそうな顔で謝ってきた。

「ストップ!!今は逃げる方が先だ。」

追っ手が来る前に2人をランクルに乗せると、俺は後ろ髪を引かれる思いでその場を後にした。

山道を下りきった頃、海坊主の腕の中で嗚咽を漏らす美樹ちゃんに声をかけた。

「美樹ちゃんは悪くない。あの状態で2人共捕まるよりましだ。香もそう判断したから美樹ちゃんを逃がしたんだろ?・・・それに、香なら大丈夫だ。人質の経験に関しては、美樹ちゃんより上だからな!」

「・・・でもっ・・・香さん、撃たれたのよ?怪我してるのよ?・・・あたし達の事を調べ上げてる奴らなのよ?!今頃どんな目にあってるかっ・・・」

「・・・だからだよ。タコが引き受けた依頼ってことは、当然裏もとってあるはずだ。それなのに、今夜の情報が漏れてたってことは、依頼自体がフェイクだった可能性が高い訳だ。・・・タコの目を欺くほど巧妙なやり口で罠を仕掛けてくる奴ら相手に、何の情報ない俺たちが突っ込んで行ったって勝ち目はないよ。・・・だから、まずは敵さんを知らないとね?・・・ま、どうも俺とタコの両方に恨みがある奴らしいけど・・・」

肩をすくめる俺。インカムから漏れ聞こえてきた会話からして、俺と海坊主に昔やられた奴らなのだろう。真っ向切って勝負しても勝ち目がないと判断したのか、パートナーを人質にしようなんて卑怯な事考えるなんて許せねぇ。

本心は、今すぐにでも引き返して香を助けに行きたかったが、それは無謀でしかないと、理性をフル稼働させる。もどかしい思いを胸に、相手の情報を得るため、俺は車を教授宅へとばしたのだった・・・



教授宅へと辿り着いたのは深夜2時過ぎだったが、俺は構わず呼び鈴を鳴らした。

「教授!!急用です!開けて下さい!!」

起きていたのか、すぐにシャッターが開いた。ランクルを突っ込むと走って教授がいるであろう書斎へと向かう。

扉を勢いよく開けると、教授はパソコンの前で何かを調べていた。

「・・・何をそんなに慌てとるんじゃ?ベビーフェイス。・・・今、お前さん達が知りたがってる事を調べとるからちょっと待っとれ。」

暢気にそう答えた教授の首を、本気で締めようかと思っていた時、後からきた海坊主と美樹ちゃん、そしてかずえちゃんが扉の前に立っていた。

「・・・かずえ君、すまんが、お茶とコーヒーを頼めんかな?あと、美樹くんの傷も・・・。何かわかったら連絡するから食堂でゆっくりしてなさい。」

教授に言われ、かずえちゃんに連れられて仕方なしに食堂へと向かう俺たち。美樹ちゃんは俯いたままで、その肩をそっと海坊主が押してやっている。

俺たちにコーヒーを入れてくれたかずえちゃんは、何も聞かずお茶を持って出て行った。

「・・・撩。すまん・・・」

海坊主が頭を床に擦り付けそうな勢いで頭を下げた。

「・・・俺が、香に依頼さえしなければ、こんなことにはならなかった。俺の確認ミスだ・・・!!」

「・・・いや。お前の責任じゃない。この依頼は、俺たち2人・・・CITY HUNTERとして受けたものだ。リスクが伴うのは承知済みだ。・・・それに、今回の件、おかしな点が多すぎる。俺とお前に恨みのある奴らが仕掛けた罠と考えるのが妥当だろ?だから、その情報が欲しくてここに来たって訳さ。」

現に、教授は俺たちがここにたどり着く前に何があったのか知っているような素振りだった。・・・一体誰が・・・



30分後、重苦しい空気を払うようにかずえちゃんが食堂に俺たちを呼びに来た。

書斎に入ると教授がパソコンから顔を上げ、ふぅっとため息をついた。

「・・・今回の件じゃが、罠じゃ。事の発端は、12年前にファルコンが受けた依頼・・・南アフリカからの武器密輸組織を一つ潰したことじゃ。それと撩、お前さんが5年前に警視庁の別嬪さんから受けた麻薬組織壊滅の依頼・・・2人とも覚えがあるじゃろ?・・・今回の件はそ奴らが、お前さん達にパートナーが・・・それも特別なパートナーがいると分かって、かつての復讐をするために計画したことじゃ。依頼人は金で雇われただけじゃ。・・・黒幕は、元傭兵のジェイクじゃ。・・・お前さん達2人とも面識があるじゃろ?」

ジェイク・・・確か傭兵を辞めた後、アメリカに渡って用心棒としてどこかのマフィアに雇われていたはずだ・・・

過去の事を記憶の奥底から引っ張り出していると、海坊主がドンッと鈍い音をさせて壁に穴を開けていた。

「あのやろう!!まだ懲りてなかったのかっ!!」

マフィアに雇われているうちに、麻薬に溺れたジェイクは廃人のようになっていた。12年前の依頼で偶然そのことを知った海坊主が、マフィアの取引を潰して、ジェイクを強引に麻薬更正施設に入れたのだったのだ。・・・だが、一度堕ちた人間が本当に這い上がって来るのは難しい。結局ヤツは元の堕落した世界へと身を落として行ったのだ。・・・そして5年前、俺が冴子から持ちかけられた麻薬組織壊滅という依頼にも、ヤツが絡んでいたのだ。

「・・・ヤツの居場所はここじゃ。・・・撩よ、大事な香くんを傷付けられて腹も立つじゃろうが、被害は最小限にしといたほうがよいぞ?そうしないと、後処理と言って、あの別嬪さんに無理難題をふっかけられるぞ?」

フォッフォッと楽しげに笑う教授。・・・頭に血が上っていた俺だったが冴子の顔を思いだし、背中に冷たい物が伝った。・・・さすが教授。喰えない狸爺め。

目的地は東京湾・・・船に奴らはいる。俺たちは体制を立て直すために一度自宅に戻り準備をすることにした。

「デートの待ち合わせ場所は東京湾。時間は5時だ。遅れんじゃねぇぞ?」

そう軽口を叩く俺に、教授がありがたい申し出をしてくれた。

「それじゃあ、この爺も一緒に連れてってくれんかのぉ。久しぶりに明け方のドライブの行きたくての・・・。駄賃は、今回の情報提供でどうじゃ?」

かずえ君も頷いている。・・・きっと、一刻でも早く香の怪我の治療をしようという心遣いなのだろう。

「・・・ありがとうございます。教授、かすえさん。・・・じゃあ、これから家に一緒に来れますか?冴羽さんとファルコンは先に戻っていて?あたしが2人をキャッツまで連れて行くから。」

美樹ちゃんはそう言って、俺とタコを玄関へと送り出してくれた。玄関を出ようとした所で背後から教授の声が聞こえた。

「撩よ。香くんを信じてやるんじゃ。伊達に6年もお前さんのパートナーはしとらんよ。」

その言葉に背中を押されるように、俺たちは教授宅を後にしたのだった・・・

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今回の依頼の裏が見えてきました。・・・香は無事なのでしょうか?次回は、撩達が香を助けに向かいます。

しの様、脱線ばかりしてすみません~~(。>ω<。)

【2013/11/07 19:00】 | To the destination ~しの様リクエスト~
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「あ、撩。おはよう!早く顔洗ってきてよ。ご飯冷めちゃうよ?」

翌朝、寝ぼけ眼のまま下へ降りていくと、とびきりの笑顔で挨拶をしてくる香の姿があった。

・・・昨日、腹ん中にためこんだもん全部吐き出しちまって、楽になったのか・・・

いい具合に肩の力が抜けているのがわかる。これなら、大丈夫だな・・・。

言い傾向だな・・・と、一安心する。

俺は、ん~っと大きく伸びをすると、いい匂いが漂う台所へと足を向けたのだった・・・




深夜0時。俺たちは目的の施設がある場所へとたどり着いた。黙々と車からトラップの道具を降ろし、身につけていく香の姿を、俺はじっと見つめていた。

準備が整った香が、俺の方に歩みよってきた。

「・・・撩。行ってきます。待っててね。」

差し出された右手を、一瞬躊躇ったのち握り返す。

「・・・行ってこい。お前がやり遂げるのを、ここで見届けてやるから。・・・くれぐれも、無茶だけはすんなよ?じゃじゃ馬。」

離した右手で香の髪をくしゃりとしてやると、香は嬉しそうに頷いて、海坊主達の元へと向かった。美樹ちゃんが振り返り、右手でOKサインを出してくれた。

・・・大丈夫ってか・・・

もう、ここまできたら後戻りは出来ない。俺は腹を据えて、香達が無事に戻って来れるよう祈るしかなかった・・・



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施設の防犯カメラを避けて、海坊主さん達と侵入口まで辿りついたあたし。渡されていたインカムの最終チェックをする。

うなずいてくれた海坊主さんを残し、美樹さんと2人で換気口から侵入した。

「こっちよ。」

小さな声で手招きする美樹さんを追いかけながら、帰りの事を考えて次々とトラップを仕掛けていく。

昨日までの不安や緊張が嘘のように思えるほど身体が動いた。

・・・これも、撩のおかげよね・・・

昨日の撩の言葉で、何かが吹っ切れた気がしていた。撩は、あたしがこの依頼をやり遂げるのを見届けやる。と言ってくれた。だったら、今のあたしに出来ることを精一杯やろう。

時計を見つつトラップを仕掛けていると、外担当の海坊主さんから連絡が入った。

「美樹、香。外は終わった。そっちはどうだ?」

ちょうど美樹さんは、目的の物を取りに部屋に入った所だった。

「今、美樹さんが部屋に入った所。今の所問題なし。」

そう返答した所で、部屋から美樹さんが小さなケースを抱えて現れた。

「今回収したわ。撤収するわ。待ってて、ファルコン」

・・・あとは、トラップを仕上げながら脱出するだけ・・・。そう思って美樹さんと顔を合わせて頷いた次の瞬間ーー、ドォーンッという大きな音と共に、帰るはずの通路が崩れ落ちたのだった・・・・



もうもうと立ちこめる煙の中から聞こえて来たのは、複数の男達の声。

「早くしろ!この先にCITY HUNTERとファルコンの女がいるはずだ!!探して捕まえろ!」

見つかった!?なんで侵入したのがあたし達だってばれてるの!?

混乱するあたしの腕を掴むと、美樹さんがぐいっと奥へと続く道へと引っ張って行く。

脱出経路を探しながら、外の海坊主さんと美樹さんが連絡を取り合っている。

「ファルコン!何かおかしいわ!あたし達の情報が漏れてるみたい。」

近くの部屋へと逃げ込んだあたし達。手持ちのトラップの道具はあと僅か。後はお互いが持っている銃だけだ。

海坊主さんとやりとりをしている美樹さんの姿を見て、落ち着いてきたあたしは、ぐるりと部屋を見渡した。

・・・こういう所には、大概通気口があるはず・・・

そう思って上のほうを見上げていると、部屋の隅にあるそれを発見した。

「あった!美樹さん!ここから出られそうよ!!」

そう言った時だった。複数の足音と声が扉の前から聞こえてきた。

「この部屋にいるはずだ。あとは逃げ場がない。パートナーを人質に取られたら、あいつらだってそう簡単には手が出せないはずだ。これで復讐ができる!」

復讐?・・・ってことは、これは罠?

部屋から出られないとなると、脱出経路は通気口しかない。美樹さんが通気口の留め具をサイレンサー付きの銃で打ち抜いている間に、時間稼ぎのためのトラップをドアに仕掛けた。

「開いたわ!」

そう言って美樹さんが通気口によじ登って、上からあたしを引っ張りあげようとしてくれた時だった。

「香さんっ!!」

美樹さんが叫んだのとほぼ同時に右肩に鋭い痛みを感じ、思わず手を離してしまった。・・・撃たれた。そう悟った瞬間、あたしは美樹さんに叫んだ。

「行って!美樹さん一人なら逃げられるわ!!」

そう言うと時間稼ぎのために、手元にあった残りの手榴弾のピンを口で引き抜き、あたしを撃った相手に投げつけた。

ドォーンッという音と、美樹さんの声。

「香さん!!」

躊躇している美樹さんに、あたしは声をあげた。

「あたしなら大丈夫!だから、美樹さん行って!!」

「・・・分かった。必ず助けに行くから」

一瞬の後に、消える気配。ほっとしていると男が一人、銃を手に入ってきた。

「・・・やれやれ、CITY HUNTERのパートナーは素人のじゃじゃ馬と聞いていたが、なかなかどうして・・・。正直ここまで手こずるとは思わなかったよ。おかげで、ファルコンのパートナーには逃げられてしまったよ・・・。まぁいい。冴羽が来るまでは大人しくしててくれないかな?女性にこれ以上手荒な真似はしたくないんでね・・・?」

・・・この男には逆らわないほうがいい・・・。直感がそう告げていた。

「・・・分かったわ・・・。」

あたしは逆らわず、大人しく男の後をついて行った・・・。

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カオリン、捕まっちゃいました・・・。大丈夫でしょうか・・・?何か裏がありそうです。

次回、今回の依頼の全貌が明らかになります。撩ちゃん、早くカオリンを助けてあげて~!!

【2013/11/04 23:00】 | To the destination ~しの様リクエスト~
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